【1】スイッチも、ダウンライトすらも排した究極のノイズレス空間へ
お部屋の壁にずらりと並ぶスイッチ類は、せっかくの洗練されたインテリアのノイズ(雑音)になりがちです。スマートホームを前提とすれば、普段使う物理的なスイッチを極限まで減らすことが可能です。さらに一歩進んで、天井にぽっかりと穴を開ける「ダウンライト」さえも空間のノイズと捉え、あえて排するという選択肢もあります。壁や天井に光を反射させる建築化照明(間接照明)をスマート化することで、自然素材や木の温もりが引き立つ、どこまでもフラットでノイズレスな上質空間が実現します。
【2】声、スマホ、そして「環境」が家を動かす
家を操作するための「窓口」は、もはや壁のスイッチだけではありません。「電気を消して」「お風呂を沸かして」とスマートスピーカーに話しかける直感的な音声操作や、外出先からスマホで鍵の施錠や空調の確認を行うことも可能です。さらに、温度や人感センサーなどの「見張り番」が環境を察知し、日差しに合わせて自動でブラインドを閉じたり、夜中に起き上がるとほんのりと足元を照らしたりと、人が指示を出す前に家が気遣ってくれるオートメーションの心地よさを味わえます。
【3】メーカーの壁を越え、成長し続ける家のプラットフォーム
これまでのスマートホームは、日本発の通信規格「ECHONET Lite(エコーネットライト)」をはじめ、パナソニックの「AiSEG3」、LIXILの「Life Assist 2」、照明メーカーによる大光電機の「SENMU」やコイズミ照明の「TRee」、スイッチの「リンクプラス」など、国内のさまざまな規格や独自システムが混在し、メーカーごとの囲い込みが課題でした。しかし現在、世界共通規格である「Matter(マター)」の普及により、メーカーの垣根を超えてシームレスに連携できる時代へと移行しつつあります。特定のシステムに縛られないオープンな基盤を設計段階で整えておくことで、将来的なライフスタイルの変化や新しい機器の追加にも柔軟に対応できる「成長する家」となります。
【4】日常のひとときをドラマチックに変える「シーン」演出
複数の機器が連動するスマートホームの醍醐味は、生活のワンシーンを劇的に変える空間全体の演出にあります。例えば、「映画を見る」という設定を呼び出せば、間接照明がふっと暗くなり、電動の窓シャッターが静かに閉まり、空調が最適な温度に切り替わります。「食事をする」シーンでは、料理を美味しく見せる温かな光でダイニングを満たします。このように、光、風、温度、音がオーケストラのように連携し、何気ない日常のひとときを感動的な体験へと高めてくれます。
【5】テクノロジーに振り回されない、「人が主役」の暮らし
スマート化を進める上で最も大切な心構えは、「何でもかんでも自動化すれば良いわけではない」ということです。複雑すぎる設定や過剰なオートメーションは、かえって生活を窮屈にし、人にストレスを与えかねません。自らの手で窓を開けて季節の風を感じるアナログな喜びや、お気に入りのランプのスイッチをカチッと入れる心地よい手触り。そうした「人が主体的に暮らす豊かさ」はしっかりと残しつつ、面倒なことや不便なことだけをテクノロジーにそっと委ねる。主役はあくまで「住む人」であり、テクノロジーはそれを陰から支える「黒衣(くろこ)」であるべきだと私たちは考えています。