シロアリ対策は、大きく分けて2通りあります。
一つは、建物内部にシロアリが侵入しないように防ぐ対策で
もう一つは、建物周辺からシロアリをいなくする対策です。
どちらも様々な手法があります。
建築屋としては、まず前者の対策を充実させることを考えます。
建物内部は、薬剤の再塗布を完璧に行うことはなかなか難しいので、できる限り薬剤に頼らない手法を検討します。
その効果に大きく影響するのが、実は間取りやデザインです。
建築的なシロアリ対策の有効性を損ねるデザインもあります。
しかし、シロアリ対策を最優先にして、他のより魅力的な提案をあきらめることはナンセンスです。
そこで、シロアリ対策を建物側で徹底するのが難しい場合は、そもそもシロアリが周辺にいないように周辺土壌に対する対策を行うわけです。
シロアリの巣の本体は、女王アリのいる土の中です。無数にいるアリを全滅させるようなイメージで土壌対策を想像すると、そんな事って本当にできるのかしら?と懐疑的になってしまいますが、実際は、女王アリが住めなければシロアリ被害は起きません。(最近は外来種による例外があるので、言い切るのは問題なのですが、事例としては今のところ無視できるかなぁ、という数なので。)土壌の消毒などにより、相当に確実な対策ができます。
しかし、この対策は、定期的なメンテナンスが必要です。
いろいろな手法はありますが、種類や方法が違っても何らかの薬剤に頼ることになりますので、薬剤の効果が持続する期間ごとの再施工が必要になります。
カタログ映えのする様々なシロアリ対策を同じようにした場合でも、間取りやデザイン、周辺環境により、シロアリリスクは異なります。
「絶対」はありませんが、リスクが比較的大きい場合は、周辺土壌対策を考慮することも必要でしょう。